お墓の基礎知識Elementary Knowledge
お墓や法要等についての説明・解説と、霊園や寺院墓地・墓石についての知識、また一般常識や法要のマナーなど知っておきたい情報を掲載しておりますので、是非ご活用ください。
10.石碑以外の部材(塔婆立てについて)
塔婆立てについて
「塔婆」とは「卒塔婆」の略語で、サンスクリット語のストゥーバがルーツです。昔、釈迦が入滅したあと、その舎利(遺骨)を納めた塔(ストゥーパ)を建てて供養したのが始まりです。それが日本に伝わり、三重塔や五重塔、多宝塔の意味となり、五重塔を模して五輪塔が建てられました。五輪塔を木で代用したのが角塔婆で、それが簡略化され年忌法要などに用いられる板塔婆となりました。現在では「塔婆」といえば板塔婆のことをいいます。
五輪塔も板塔婆も人間の体を形どったもので、世界の構成している五大物質を表し、上から、空・風・火・水・地の梵字が書かれ、その下に故人の戒名が書かれています。裏面には大日如来を表わす梵字と、その下に建立する人の名前・建立年月日が書かれています。
※塔婆供養はほとんどの宗派で行いますが、浄土真宗では塔婆供養を行いません。
■塔婆立ての種類
塔婆が少ないうちは、直接地面に差しても比較的大丈夫ですが、
数が増えてくると、どうしても「塔婆立て」が必要になってきます。塔婆立ては、石製のものとステンレス製のものとがありますが、ステンレス製のものは支柱が細いため、あまり場所を取らずに済むことから、小さな墓所でよく使用されています。
見た目を美しくするという目的のほかにも、風の影響を受けても
倒れないという意味でも、1本でも塔婆立てを設置する方が望ましいです。